裁判所でもAIの中国、音声認識で
先端的テクノロジーのあらゆる領域への導入が進む中国で、また新たな試みが始動した。それはAI(人工知能)技術の裁判所での活用だ。安徽省に本拠を置く「iFlytek(アイフライテック)」は中国の上級裁判所とパートナーシップを結び、音声認識や画像認識テクノロジーを裁判所の審理過程に投入しようとしている。
これにより裁判所の業務を効率化させ、審理の正確さを向上させようとしている。「人工知能+裁判所」と名づけられたこの試みは、既に中国各地の400に及ぶ法廷でテストが重ねられている。
iFlytekのAI技術は現在、画像や音声認識テクノロジーを用いた証拠物件の確認やフィルタリング、審理過程の効率化や裁判の進行管理に用いられている。同社のテクノロジーは特に中国語の音声認識に強みを持ち、声による身元確認や裁判に関わる人々の発言の書き起こしに役立てられる。原告や被告、事件の目撃者らの証言をリアルタイムでテキストに記録することが可能だ。
AIの裁判所での活用はまだ始まったばかりだが、iFlytekのテクノロジーは法廷審問にかかる時間を、30%短縮できたというデータもある。音声認識技術の活用で、審理内容を正確に記録し管理できることは大きな前進といえる。
iFlytekのテクノロジーは中国科学院によると、中国語の音声認識技術においてはアップルのSiriを上回る性能を持つという。同社は裁判所以外にも地方政府や警察、銀行などからAIベースの管理プラットフォーム開発を受注している。
裁判所でのAI技術の適用領域は、今年の年末までに79種類の分野に拡大する見込みだという。
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